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	<description>世界の環境、食料、エネルギーを考える</description>
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		<title>水不足は脱塩技術で解決できるか？</title>
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		<pubDate>Wed, 10 Aug 2011 05:10:52 +0000</pubDate>
		<dc:creator>world</dc:creator>
				<category><![CDATA[資源、エネルギー]]></category>
		<category><![CDATA[水不足]]></category>
		<category><![CDATA[水資源]]></category>

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		<description><![CDATA[極度の水不足に苦しむ庶民は、2025年までに世界で18億人に達する。この予測を受け、海水を淡水化する脱塩技術が注目を集めている。しかし、水危機対策の切り札として強みを発揮するには、当局や専門家が先頭に立ち、高コストと非効 [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>極度の水不足に苦しむ庶民は、2025年までに世界で18億人に達する。この予測を受け、海水を淡水化する脱塩技術が注目を集めている。しかし、水危機対策の切り札として強みを発揮するには、当局や専門家が先頭に立ち、高コストと非効率性を改善する必要がある。脱塩プラントの年間真水生産量は、2016年には3800万立方メートル<span id="more-1213"></span>を超えると予測されている。2008年実績の2倍だ。</p>
<p>現在主流の脱塩プラントが採用する逆浸透法は、海水に圧力をかけて極薄の樹脂半透膜で濾過する。大きめの分子やイオン（塩類など）はフィルターにかかり、真水だけが濾し出される仕組みである。</p>
<p>この方法は、海水の蒸留など従前の脱塩技術と比べて大幅にエネルギー効率が高い。しかし標準的なプラントでは、システムを稼働する電力の生産に運転コストの40％が割かれる場合もある。</p>
<p>◆細菌対策は？</p>
<p>逆浸透膜は1960年代の発明当初と比べて改良が進み、塩類を除去する性能が高まっている。細菌対策も進んでいるが、「膜の目詰まり」問題が完全に解消されたわけではない。</p>
<p>「細菌で膜が目詰まりし、次第に水の通りが悪くなる」とアメリカ、イェール大学の環境エンジニアで論文共著者のメナヘム・エリメレク（Menachem Elimelech）氏は説明する。</p>
<p>細菌は塩素で除去できるが、現在の逆浸透膜は塩素にとても弱く、性能が急激に劣化するという。「塩素耐性の高い逆浸透膜の開発に注力すべきだ」とエリメレク氏は訴えている。</p>
<p>◆プレハブ・プラント？</p>
<p>しかし性能が上がっても、プラントの建設費用や運転コストが高止まりでは意味がない。水不足に悩む開発途上国の需要を満たすには、コスト問題を解決する必要がある。</p>
<p>カリフォルニア大学ロサンゼルス校（UCLA）教授で化学工学や生体分子工学を専門とするヨラム・コーエン（Yoram Cohen）氏は、次のようにコメントしている。「部材や施工法を標準化し、小規模で効率的なプラントを建設するのも良い。技術が標準化されているパソコンは価格が安く、寄せ集めのパーツで自作もできる」。</p>
<p>◆濃塩水の処分</p>
<p>脱塩プラントから排出される濃塩水の処理も頭の痛い問題だ。沿岸のプラントなら濃度を薄めて安全に海へ放出できるが、内陸部の場合は問題が複雑化するとコーエン氏は言う。「地域の規制により、河川、溜池などの地表水や下水道に排出できないケースもある。地下排水も考えられるが、非常にコストが高く禁止地域もある」。</p>
<p>逆浸透技術への期待は大きいが、各国で水不足の“特効薬”と認識される危険性をイェール大学のエリメレク氏は指摘する。多くの場合、合理的な国土計画や従来型の水保全の方が安上がりであり、革新性には欠けるが最も有効な対策になりうるという。「別の方法も利用できるなら、脱塩プラントだけに頼らない方が良い」。</p>
<p>今回の総括論文は、8月5日発行の「Science」誌に掲載されている。</p>
<p><strong><a href="http://www.nationalgeographic.co.jp/news/">ナショナルジオグラフィック ニュース</a></strong><strong>より</strong></p>
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		<title>ダム撤去でサケは戻るか？ アメリカ</title>
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		<pubDate>Sat, 30 Jul 2011 05:05:47 +0000</pubDate>
		<dc:creator>world</dc:creator>
				<category><![CDATA[生物多様性]]></category>
		<category><![CDATA[資源、エネルギー]]></category>
		<category><![CDATA[環境汚染、温暖化]]></category>

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		<description><![CDATA[アメリカ西部を流れるクラマス川のダム4基を撤去し、危機に瀕するサケを保護する注目の計画がいよいよ連邦議会で審議される。撤去対象となるのは、カリフォルニア州にあるアイアンゲートダム、コプコ第一ダム、コプコ第二ダム、ジョン・ [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>アメリカ西部を流れるクラマス川のダム4基を撤去し、危機に瀕するサケを保護する注目の計画がいよいよ連邦議会で審議される。撤去対象となるのは、カリフォルニア州にあるアイアンゲートダム、コプコ第一ダム、コプコ第二ダム、ジョン・C・ボイル（John C. Boyle）ダム。関連事業も含めた総費用は約10億ドル（約780億円）に上り、<span id="more-1209"></span>半分が連邦予算から拠出される予定だ。</p>
<p>クラマス川でのサケ漁に依存する先住民族や、灌漑（かんがい）用水が必要な周辺農家も同意しており、ダムを所有する電力会社パシフィコープも支持している。</p>
<p>ダムの存続条件にはサケの魚道の修正が求められており、パシフィコープは撤去の方が低コストと判断した。いずれにせよ最大の恩恵を受けるのは、サケたちのはずだ。</p>
<p>この100年間でクラマス川を遡上（そじょう）するサケの数は、数百万単位から10万以下に激減した。環境保護団体「アメリカンリバーズ」や地元の先住民族は、ダム建設が主因だと主張している。</p>
<p>カリフォルニア州の先住民族の一つ、ユロック族の漁業生物学者マイク・ベルチック（Mike Belchik）氏は、「われわれは太古の昔からクラマス川の魚に依存してきた」と話す。考古学的調査によると、この地では少なくとも9000年以上前から魚を捕って暮らしていたという。</p>
<p>◆特効薬ではない</p>
<p>アメリカ魚類野生生物局が委託した第三者による科学調査が先日完了し、ダムの撤去がキングサーモン（マスノスケ）の生息数増加を促すことが確認された。ただし水質改善や、気候変動に伴う温水化への対処なども必要だと指摘されている。</p>
<p>◆クラマス川をめぐる衝突</p>
<p>クラマス川は、オレゴン州東部からカリフォルニア州北部を通り、太平洋に流れ込む。川の流路は非常に多様で、雪解けの湧き水が集まる大きな泉を水源に、高地に広がる砂漠地帯を流れ海に至る。はるか昔から、川を遡上するサケの繁栄の基礎となってきた。同時に、ユロック族、カルック族、クラマス族、フーパ族など魚を捕らえて生活する先住民族も支えた。近年では、先住民族以外の漁師や農家たちもこの川に依存している。</p>
<p>クラマス川には灌漑用のダムも建設されているが、今回の4基はすべて水力発電用である。4基合計で石炭360トン、7万世帯分の発電量に相当するという。</p>
<p>クラマス川で開発が進むにつれ、サケの遡上は減っていった。</p>
<p>「ユロック族とカルック族が初めてダムの撤去を要請した10年以上前は嘲笑の的だった」とベルチック氏は語る。</p>
<p>しかし、2001年から状況が変わる。干ばつが発生し、サケを守るために灌漑用水がせき止められ、農家が大ダメージを受けた。翌年はその反動で、州政府の判断により大量の川の水が灌漑に回され、サケの大量死が発生した。</p>
<p>「このときの大惨事から、農家と先住民族の話し合いが始まった」。農家の本音は灌漑用ダムの増設だが、最低限の農業用水確保が保証されたため今回の計画に合意した。</p>
<p>◆野心的な計画</p>
<p>そして昨年、農家代表や先住民族、パシフィコープを含めた28の関係団体の間で、クラマス川の水力発電に関する和解合意が成立した。ダム4基の2020年までの撤去が定められている。</p>
<p>要件の一つである科学調査が完了した後、オレゴン、カリフォルニアの両州で公共事業委員会が正式に合意を承認した。次の関門は連邦議会である。</p>
<p>ダム撤去費用の4億5000万ドル（約350億円）については関係団体が支出を約束しているが、水質改善や再植林など、サケの回復に必要な5億ドル（約390億円）は連邦予算から計上されることになっている。</p>
<p>連邦議会の交渉では、カリフォルニア州選出の共和党下院議員で、水道・電力小委員会の委員長を務めるトム・マクリントック氏がカギを握るとみられる。同氏は、「この電力不足の時代に、完全に良好な状態の4基の水力発電ダムを5億ドルもかけて破壊するなんて、とても正気とは思えない」とコメントしている。</p>
<p>撤去計画が連邦議会を通過した場合、来年の3月までに内務省長官の承認を得ることが次のステップとなる。</p>
<p>◆先例</p>
<p>クラマス川の計画は野心的だが、ワシントン州では既に2基の撤去が承認されており、今年の秋から実行される。対象はエルワ川にかかる堤高64メートルのグラインズキャニオンダムと、コロンビア川支流のホワイトサーモン川に建設されたコンディットダムである。</p>
<p>この活動も支援してきたアメリカンリバーズの広報担当エイミー・コーバー氏は、次のように述べる。「ダムが建設された100年前には、それぞれ有益な役割を果たしていた。しかし今日では、危機に瀕するサケの遡上や、自由に流れる水面に時代の価値感がシフトしている。今やレクリエーションでの利用や人間性の回復が重要で、経済面でのメリットも意味が変化している」。</p>
<p><strong><a href="http://www.nationalgeographic.co.jp/news/">ナショナルジオグラフィック ニュース</a></strong><strong>より</strong></p>
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		<title>日常茶飯事？ 中国青島で藻が大発生</title>
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		<pubDate>Thu, 28 Jul 2011 05:02:45 +0000</pubDate>
		<dc:creator>world</dc:creator>
				<category><![CDATA[環境汚染、温暖化]]></category>

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		<description><![CDATA[中国東部、山東省の青島（チンタオ）で、藻が大量発生した（7月15日撮影）。藻の大発生は中国ではさほど珍しくない。例えば2008年の北京オリンピックの際にも、青島で予定されていたセーリング競技の開催が危ぶまれる事態にまで発 [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>中国東部、山東省の青島（チンタオ）で、藻が大量発生した（7月15日撮影）。藻の大発生は中国ではさほど珍しくない。例えば2008年の北京オリンピックの際にも、青島で予定されていたセーリング競技の開催が危ぶまれる事態にまで発展している。「あのときは1万人以上の作業員が動員され、大量の藻を取り除く作業が進められた。<span id="more-1206"></span>ちょっと信じられない光景だったね」と、米国海洋大気庁（NOAA）の海洋生物学者スティーブ・モートン氏は話した。 </p>
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		<title>進む海の汚染、フィリピンの新種</title>
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		<pubDate>Sun, 03 Jul 2011 04:57:37 +0000</pubDate>
		<dc:creator>world</dc:creator>
				<category><![CDATA[環境汚染、温暖化]]></category>
		<category><![CDATA[生物多様性]]></category>
		<category><![CDATA[化学物質]]></category>
		<category><![CDATA[海洋汚染]]></category>

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		<description><![CDATA[アメリカに拠点を置くカリフォルニア科学アカデミーが、フィリピンのルソン島やその近海で生物調査を行った。採取された大量の海洋生物は船上で分類される。動物学者リック・ムーイ（Rick Mooi）氏（右）が手にしているのは、深 [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>アメリカに拠点を置くカリフォルニア科学アカデミーが、フィリピンのルソン島やその近海で生物調査を行った。採取された大量の海洋生物は船上で分類される。動物学者リック・ムーイ（Rick Mooi）氏（右）が手にしているのは、深度460メートルに生息するウニ。深海調査では、フィリピン漁業水産資源局が管理する船で海を巡り、<span id="more-1202"></span>トロール網などの仕掛けを用いて海底生物を捕獲した。</p>
<p>ウニやサンゴ、サメなどと同時に引き揚げられたのは、大量のゴミだった。</p>
<p>カリフォルニア科学アカデミーで教師・青少年教育部門を担当するメグ・バーク氏は、「トロール網には毎回必ずゴミが入っている」と話す。「プラスチック製品やビニール袋の一部、ビン、果ては汚れたおむつまで、海洋生態系に広がる環境への負担をはっきりと見せつけられた」。</p>
<p><strong><a href="http://www.nationalgeographic.co.jp/news/">ナショナルジオグラフィック ニュース</a></strong><strong>より</strong></p>
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		<title>バイオ燃料生産と森林保護を両立</title>
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		<pubDate>Sat, 25 Jun 2011 04:49:55 +0000</pubDate>
		<dc:creator>world</dc:creator>
				<category><![CDATA[環境汚染、温暖化]]></category>
		<category><![CDATA[資源、エネルギー]]></category>
		<category><![CDATA[エネルギー]]></category>

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		<description><![CDATA[インドネシアで樹木からバイオ燃料を生成するプロジェクトが進んでいる。主導するのは、熱帯雨林の研究者ウィリー・スミッツ氏。インドネシアで熱心な環境保護活動に取り組む人物として知られ、30年以上、東南アジアの島々で生態系の研 [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>インドネシアで樹木からバイオ燃料を生成するプロジェクトが進んでいる。主導するのは、熱帯雨林の研究者ウィリー・スミッツ氏。インドネシアで熱心な環境保護活動に取り組む人物として知られ、30年以上、東南アジアの島々で生態系の研究に取り組んできた同氏の洞察力が産んだプロジェクトだ。同氏は、ある植物を利用すればバイオ燃料の生成に<span id="more-1198"></span>加えて環境保護にもつながり、同時に地元住民の食料確保にも役立つと訴えている。それはサトウヤシだ。</p>
<p>スミッツ氏は「タパジー（Tapergie）」という会社を自ら設立、サトウヤシの収穫および加工システムを独自に開発した。詳しく調査した専門家も、二酸化炭素の排出量増加にはつながらないと太鼓判を押している。「ヤシの樹液は水と糖が主成分。必要なのは雨と日光と二酸化炭素だけで済む」とスミッツ氏は語る。</p>
<p>スミッツ氏がナショナル ジオグラフィックの資金援助を受けて立ち上げたこのプロジェクトは、持続可能燃料の新たな供給源を生み出すと同時に、この地域が陥っている貧困と環境破壊の悪循環を解消する可能性も秘めている。</p>
<p>◆バイオ燃料が森林を脅かす</p>
<p>タパジー社のサトウヤシ加工施設はインドネシアの北スラウェシ州トモホンに建設され、2010年に操業を開始。さらにスミッツ氏は、近隣の島々で「ビレッジハブ（Village Hubs）」という小規模施設を運営する計画だ。どちらも、熱帯雨林の破壊につながるアブラヤシを原料としたバイオ燃料生産とはまったく異なる方式で運営される。</p>
<p>ここ10年間、東南アジアでは、アブラヤシの果肉や種子を原料とするヤシ油への需要が急激に高まっている。背景には、ヨーロッパ諸国が石油燃料からバイオ燃料への転換を模索し始めた事情がある。二酸化炭素排出量を削減するために打ち出した政策で、遠いアジアがツケを払わされる事態を生んでいる。アブラヤシの単作を拡大するため、広大な熱帯雨林が伐採され、泥炭地が焼き払われたからだ。熱帯雨林の破壊に伴う大気中の二酸化炭素量増加により、インドネシアはエネルギーの大量消費国である中国やアメリカに次ぐ世界有数の温室効果ガス排出国になってしまった。</p>
<p>オランダ出身のスミッツ氏は、第2の故郷インドネシアでアブラヤシを原料とするバイオ燃料が大量生産され、さまざまな弊害を生み出していると世界中に警鐘を鳴らしている。</p>
<p>◆「最も優れた樹木」</p>
<p>一方、サトウヤシは森林保護につながる利点を数多く備えているとスミッツ氏は説明する。まず地中深くに根を張るため、ほぼ垂直に切り立った急斜面でも栽培可能で、土地の浸食を防いでくれる。また、水分をあまり必要としないサトウヤシは干ばつに強く、森林火災も起こりにくい。火山島で栽培するには重要な特性である。さらに害虫や疫病に対しても抵抗力があり、肥料はまったく必要としない。それどころか、サトウヤシが育つ森林は土壌が肥えるという。</p>
<p>過去数十年間、すっかり破壊されてしまったインドネシアの熱帯雨林再生のカギとして、スミッツ氏がサトウヤシに目を付けたのも十分に納得できる。</p>
<p>アメリカ、コロラド州スノーマスにあるロッキーマウンテン研究所で所長兼主任研究員を務めるエネルギー専門家エイモリー・ロビンス氏は次のように語る。「サトウヤシはアブラヤシとは対極的な存在だ。これほど優れた樹木には出会ったことがない」。ロビンス氏はスミッツ氏のアイデアを耳にして以来、プロジェクトを積極的に後押ししている。</p>
<p>スミッツ氏によると、特殊な構造のサトウヤシの葉は、一年中生え変わるため光合成の効率が極めて高い。バイオ燃料の原料として世界中で使用されている他の植物に比べて、エタノールの生産効率が非常に良いのだという。同氏の方法によれば、1ヘクタールあたり年間19トンのエタノールを生成できる。アメリカ農務省が公表した最新の資料では、アメリカ国内のトウモロコシの場合、1ヘクタールあたり年間3.3トンに過ぎない。またアメリカ環境保護庁の分析では、ブラジルのサトウキビは1ヘクタールあたり年間4.5トン。サトウヤシの持つ能力は驚愕に値することが分かるだろう。</p>
<p>ただサトウヤシにも問題点はある。雑多な植物が繁茂する森林で最もよく育つサトウヤシは、トウモロコシやサトウキビ、アブラヤシなどと違い、農地一面に整然と植え付ける単作には向いていない。</p>
<p>また、栽培にも手間が掛かる。最適な成長のためには、雄花を付けた花柄（かへい）から1日2回必ず樹液を採取しなければならない。しかも、1本ごとに花柄の先端から薄層を切り取るという熟練した技術が要求される。種子に貯えられるべきエネルギーを一部“搾取”して、サトウヤシの寿命を延ばすための作業だ。採取した樹液は直ちにしかるべき環境下で保存しなければ、発酵が制御不能になる。スミッツ氏によると、樹液採取の機械化は不可能だという。</p>
<p>ロッキーマウンテン研究所のロビンス氏は次のように述べる。「アブラヤシから油を採取する場合に比べると、5～20倍の労働力が必要となる。能率的な単一栽培が最善だと考えている人々からすれば、不経済きわまりないだろう。だがスミッツ氏は、これこそが人々の暮らしを助けることになると考えた」。</p>
<p>スミッツ氏が建設を計画しているのが、小規模なサトウヤシ加工施設「ビレッジハブ」のネットワークである。労働集約型で機動性が高いビレッジハブは、周辺各地域にインフラや重要な経済機会を提供できるという。</p>
<p>◆森林保護と一体化した生産</p>
<p>トモホンの工場では持続可能エネルギーの導入にも配慮し、稼働に必要なエネルギー源として地熱（州のエネルギー会社から購入した廃熱）が利用されている。従来は、膨大な量の樹木を伐採しそれを燃料にしてヤシの樹液を煮詰めるなど、環境をまったく無視した方法でヤシ糖を製造していた。しかし、工場の稼働をきっかけにクリーンエネルギーへの転換が始まっている。サトウヤシから生成されたバイオ燃料は、バイクやカート、小型の機械や発電機などのほか、特殊な料理用コンロにも燃料として使用されている。</p>
<p>シンガポールやボルネオ島では過去にも、繊維や砂糖を製造するためにサトウヤシを栽培する試みが行われたが、いずれも失敗に終わった。だがスミッツ氏は勝算があると見ている。</p>
<p>サトウヤシは大きな可能性を秘めているが、それは生産活動と環境保護とが一体となって初めて実現されるとスミッツ氏は言う。ロビンス氏も、「2つの要素は、スミッツ氏のシステムの中で不可分の関係にある。土地や森林そのものを保護するうえで不可欠だと思う」と語っている。</p>
<p>スミッツ氏は、稼働が始まるビレッジハブの成果を2012年に公表する予定である。</p>
<p><strong><a href="http://www.nationalgeographic.co.jp/news/">ナショナルジオグラフィック ニュース</a></strong><strong>より</strong></p>
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		<title>メキシコ湾で増加する魚の生殖器異常</title>
		<link>http://world.terraviss.com/?p=1194</link>
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		<pubDate>Sun, 05 Jun 2011 04:42:37 +0000</pubDate>
		<dc:creator>world</dc:creator>
				<category><![CDATA[環境汚染、温暖化]]></category>
		<category><![CDATA[化学物質]]></category>
		<category><![CDATA[海洋汚染]]></category>

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		<description><![CDATA[メキシコ湾の酸欠海域「デッドゾーン」で、魚の生殖器異常が多発していることが明らかになった。デッドゾーンの原因は、ミシシッピ川から流れ込む農業排水などが引き起こす藻や微生物の異常繁殖だ。海水中の酸素が大量に消費されるため、 [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>メキシコ湾の酸欠海域「デッドゾーン」で、魚の生殖器異常が多発していることが明らかになった。デッドゾーンの原因は、ミシシッピ川から流れ込む農業排水などが引き起こす藻や微生物の異常繁殖だ。海水中の酸素が大量に消費されるため、他の海洋生物が死滅し、広範囲に及ぶ「死の海」となる。 <span id="more-1194"></span></p>
<p>2006年から2007年にかけて、メキシコ湾北部のデッドゾーンでニベ科のアトランティック・クローカーを捕獲調査した結果、約4分の1のメスから、卵巣の代わりにいびつな精巣のような器官が見つかった。生殖器の異常が生じるまでに、酸欠海域でどれくらい暮らしていたかはわかっていない。しかし、実験によると10週間あれば十分なようだ。</p>
<p>メキシコ湾のデッドゾーンは毎年5月から9月の間に出現しており、1980年代と比較して2倍以上になっている。</p>
<p>実験室でクローカーを分析したところ、オス化したメスの脳と卵巣で、重要な化学物質「アロマターゼ」の減少が確認された。アロマターゼは、卵巣の正常な発育に欠かせない女性ホルモン「エストロゲン」を作る酵素である。</p>
<p>テキサス大学オースティン校海洋科学研究所の海洋生物学者で、研究の共著者M・S・ラーマン氏によると、クローカーの体内に取り込まれた酸素の約20％は脳が消費するという。「酸素量が低下すると、脳や、脳で作られる神経ホルモンと神経ペプチドに影響が出る」。</p>
<p>クローカーをはじめ、多くの魚は、元々オスの生殖器を備えている。精巣を卵巣に変えるために、エストロゲンが必要となる。ラーマン氏と同僚のピーター・トーマス氏は、酸素欠乏によりエストロゲン濃度が低下したことで、卵巣細胞の一部が精巣に戻ったと推測している。</p>
<p>オス化したメスの精巣は、正常なオスと比べ、サイズが小さくあまり発達していなかった。ラーマン氏によると、メスの精巣からも精子が検出されたが、正常な卵を受精させるには不十分であったという。メスより度合いは小さいものの、オスも酸素欠乏の影響を受ける。研究では、メキシコ湾のデッドゾーンで捕獲したクローカーと、低酸素環境で飼育したクローカーを分析。どちらも平均より精巣が小さく、精子の数も少ないことが判明した。</p>
<p>オスとメスの両方で確認された生殖器異常は、デッドゾーンに生息する魚の孵化率低下の一因とも考えられる。クローカーの孵化率が通常は約40～80％であるのに対し、酸欠海域では10％と低い。そのうえ、この海域のメスは、オスの子どもを産む確率が通常より1.5倍高かった。孵化率の低下と性比の偏りは、クローカーの個体数に影響を及ぼし、長期的には絶滅にいたる可能性があると懸念されている。</p>
<p>「クローカーは極めて一般的な魚だが、個体数減少の危険はある。そのため、性比の偏りなどの要因は、大きな問題を引き起こすかもしれない」と、バトンルージュにあるルイジアナ州立大学の水産生物学者プロサンタ・チャクラバーティ氏は述べる。</p>
<p>同氏によると、他の魚が同じような影響を受ける可能性もあるという。クローカーは低酸素環境に対する耐性がやや高い以外は、メキシコ湾に住む他の魚と大きな違いはないからだ。「クローカーはメキシコ湾の代表的な魚だ。研究結果は、この海域に住む硬骨魚全般に当てはまるかもしれない」。</p>
<p>今回の研究は、「Proceedings of the Royal Society B」誌オンライン版で5月25日に公開された。</p>
<p><strong><a href="http://www.nationalgeographic.co.jp/news/">ナショナルジオグラフィック ニュース</a></strong><strong>より</strong></p>
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		<item>
		<title>抗うつ剤が脅かす五大湖の生態系</title>
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		<pubDate>Wed, 01 Jun 2011 04:31:23 +0000</pubDate>
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				<category><![CDATA[環境汚染、温暖化]]></category>

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		<description><![CDATA[下水道に流れ込んだ抗うつ剤が、生態系に重大な影響を及ぼす可能性が明らかになった。アメリカ、ペンシルバニア州北西部のエリー市で、抗うつ剤「プロザック」に含まれる有効成分フルオキセチンが微量検出された。これが五大湖の微生物を [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>下水道に流れ込んだ抗うつ剤が、生態系に重大な影響を及ぼす可能性が明らかになった。アメリカ、ペンシルバニア州北西部のエリー市で、抗うつ剤「プロザック」に含まれる有効成分フルオキセチンが微量検出された。これが五大湖の微生物を大幅に減少させているという。 プロザックなど抗うつ剤は、微量ながら世界中の飲料水や親水施設で検出されている。<span id="more-1190"></span>専門家によれば、人体に影響を及ぼすほどの量ではないという。しかし、軟体動物の生殖系はダメージを避けられず、魚などの脳に作用する可能性もある。</p>
<p>一方、細菌に与える影響も専門家は案じている。「細菌なんて一切いなくて構わないと考えるかもしれない。しかし、生態系の一部としての役割を担う場合もある。すべて死滅させて良いわけがない」と、エリー市マーシーハースト・カレッジの微生物学者スティーブ・マウロ氏は語る。同氏の研究チームは、五大湖の一つエリー湖で、岸近くの水から低濃度のフルオキセチンを検出した。</p>
<p>湖のきれいな水に同濃度のフルオキセチンを加えてみると、大腸菌と腸球菌が死滅した。この2種はいずれも人間に重度の感染症を引き起こす可能性がある。</p>
<p>エリー湖で検出されたフルオキセチンは、水1リットルあたり1ナノグラムと非常に低い濃度だった。「人間に有害なレベルではないと見られる。無脊椎動物にも影響はないだろう」とマウロ氏は話す。ただし、他の化学物質と混合すると、湖の生態系により大きな効果を及ぼすのではないかと推測している。</p>
<p>抗うつ剤の侵入経路も解明が待たれている。人体に取り込まれたフルオキセチンは、尿を通じて下水道に入ると考えられている。また、未使用の抗うつ剤がキッチンシンクなどにそのまま捨てられると、事態はさらに厄介になる。通常、下水処理施設ではろ過されないからだ。</p>
<p>ところが、エリー湖のプレスク・アイル州立公園付近で検出されたフルオキセチンは、「どこから入ってきたのかがわからない。湖岸に汚水が直接流れ込んでくる場所がないのだ」とマウロ氏は述べる。「湖中に拡散している可能性もある」。</p>
<p>研究成果は5月23日、第111回米国微生物学会総会で発表された。</p>
<p><strong><a href="http://www.nationalgeographic.co.jp/news/">ナショナルジオグラフィック ニュース</a></strong><strong>より</strong></p>
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		<title>天然ガス採掘でメタン汚染の可能性</title>
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		<pubDate>Fri, 13 May 2011 04:22:48 +0000</pubDate>
		<dc:creator>world</dc:creator>
				<category><![CDATA[環境汚染、温暖化]]></category>
		<category><![CDATA[資源、エネルギー]]></category>
		<category><![CDATA[エネルギー]]></category>

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		<description><![CDATA[柔らかい岩石層「シェール層」を採掘して天然ガスを生産する手法が近ごろ注目されているが、それに伴う環境汚染も明らかになってきた。最新の研究では、シェールガス採掘地域の飲み水へのメタン流出を示すデータが初めて体系的に収集され [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>柔らかい岩石層「シェール層」を採掘して天然ガスを生産する手法が近ごろ注目されているが、それに伴う環境汚染も明らかになってきた。最新の研究では、シェールガス採掘地域の飲み水へのメタン流出を示すデータが初めて体系的に収集され、従来の想定よりはるか遠方でも着火濃度のメタンが検出されている。<span id="more-1186"></span><br />
アメリカにあるデューク大学の研究チームは、ペンシルバニア州北東部の60カ所の家庭用井戸からサンプルを採取した。同地では、地下に堆積するシェール層に天然ガスが豊富に存在し、水圧破砕法（フラッキング）によって採掘が進められている。</p>
<p>報告によると、操業中のガス採掘地では、ガス井に近いほどメタン濃度が上昇しており、また、ある採掘地から1キロ離れた場所でも、着火濃度のメタンを含む飲み水が確認されたという。採掘地付近の井戸と遠い井戸を比較すると、平均17倍のメタン濃度が検出された。</p>
<p>水圧破砕法は、地下深くの岩石層に水を押し入れ、岩石がひび割れるまで圧力を高め、天然ガスを解放する手法である。環境面の問題が指摘されており、今回の研究もそれを裏付けている。</p>
<p>アメリカやカナダでは、過去6年間にわたるこの新技術の成功実績により、広大な天然ガスの新貯蔵庫の扉が開け放たれた。シェールガス開発が順調に進めば、2035年にはアメリカの天然ガス生産の45％を占めると見込まれている。アメリカ政府は、世界32カ国でも同様のシェール層が利用可能だとする報告を発表した。</p>
<p>しかし、天然ガスの主成分メタンによる飲み水汚染がクローズアップされている。本年度のアカデミー賞長編ドキュメンタリー賞にノミネートされた映画『ガスランド』では、民家の水道水が燃える印象的なシーンが注目を集めた。</p>
<p>研究チームのリーダーを務めたデューク大学の環境科学者ロブ・ジャクソン氏は、「シェールガス採掘を今後も続けていくためには、監視体制の拡充、知識の蓄積、そしておそらくは規制強化が必要となる」と述べる。</p>
<p>メタン汚染の原因が、ガス採掘以外に存在する可能性も残されている。今回の研究では、採掘地からの距離に関わらず、サンプルを採取した井戸の大半でメタンが検出された。ただし、距離とメタン濃度には確実な相関関係が認められている。</p>
<p>流出の可能性を認める採掘業者もあり、不適切なガス井建設が原因だと主張している。ジャクソン氏は、「ガス井の掘削中、セメントのケーシングに穴が開く可能性はある。その場合は手順を改善すれば解消するだろう。また、手順は適切でも現場が無視しているケースもありうる」と話す。</p>
<p>ただし、天然ガスの漏洩にはもう一つの経路が考えられる。それは、水圧破砕法そのものがガス貯留層に亀裂を生み出し拡大している場合だ。メタンはこの亀裂から岩石層を通り抜けて上方に逃げ出すことができる。研究チームは、「可能性は少ないがゼロではない」としている。</p>
<p>採掘業者はこの可能性を否定するが、ここで問題なのは、ガス鉱床と地下水の間に存在する岩石の性質が十分に分析されていない点である。どの州政府も、ガス会社に対して地質分析の実施を義務付けていない。</p>
<p>一部の採掘業者は環境保護団体と協力して自主的に規制案をまとめ、州政府に提示している。他方、アメリカ環境保護庁（EPA）は、水圧破砕法が飲み水と地下水に与える影響について調査を続け、連邦レベルの規制が必要かどうか注視している。</p>
<p>今回の研究で、天然ガス産業にとって良いニュースが一つだけあった。どのガス井においても、水圧破砕用の化学処理された水や、採掘後に生成される塩分を含んだ液体からメタン汚染の証拠が発見されなかったのである。</p>
<p>メタンは、飲み水に関して規制対象となる汚染物質ではない。密閉空間で窒息や爆発の原因となることは知られているが、水の色や味、臭いを変化させるわけではなく、飲料適性に影響を与えるのかどうかもわかっていない。</p>
<p>また、低レベルのメタン暴露が長期的に続いた場合に、人体へ現れる影響を分析した研究は一つもない。「健康への影響がわからないとは、驚くべきことだ。メタンは確かに飲み水に含まれている」とジャクソン氏は憂慮している。</p>
<p>研究成果は、「Proceedings of the National Academy of Sciences」誌オンライン版に5月9日付けで掲載されている。</p>
<p><strong><a href="http://www.nationalgeographic.co.jp/news/">ナショナルジオグラフィック ニュース</a></strong><strong>より</strong></p>
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		<title>米で急増するイノシシ、感染症を拡大か</title>
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		<pubDate>Tue, 10 May 2011 04:18:16 +0000</pubDate>
		<dc:creator>world</dc:creator>
				<category><![CDATA[健康問題、医療]]></category>
		<category><![CDATA[環境汚染、温暖化]]></category>
		<category><![CDATA[健康被害]]></category>

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		<description><![CDATA[アメリカではイノシシが急増し、危険な寄生虫が人間に感染する可能性が出てきているという。イノシシ（学名：Sus scrofa）は16世紀にヨーロッパからアメリカに家畜として持ち込まれた。しかし時と共に多くの個体が畜舎から逃 [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>アメリカではイノシシが急増し、危険な寄生虫が人間に感染する可能性が出てきているという。イノシシ（学名：Sus scrofa）は16世紀にヨーロッパからアメリカに家畜として持ち込まれた。しかし時と共に多くの個体が畜舎から逃げ出していった。野生化したイノシシは、現在ではアメリカの39の州に計約400万頭が生息すると見られ、特にカリフォルニア州、<span id="more-1182"></span>テキサス州とアメリカ南東部に多いという。</p>
<p>このほど発表された論文の共著者で、ノースカロライナ州ローリーにあるノースカロライナ州立大学（NCSU）の生態学者クリス・デパーノ（Chris DePerno）氏によれば、イノシシは非常に頑強でほとんど何でも食べることができるため、この環境で満足に暮らし、年に複数回、それぞれ数頭の子を産む。</p>
<p>この野生のイノシシの集団に、養豚場から逃げ出した家畜のプタ（イノシシの亜種、学名：Sus scrofa domesticus）が混じっていく。逃げ出した家畜のブタは、通常2世代もするとピンク色が抜けて毛の粗い縞模様のイノシシに変わり、野生の群れに溶け込んでしまうという。</p>
<p>今回の研究でデパーノ氏らは、ノースカロライナ州で2007～2009年に殺されたイノシシ83頭の血液中に、トキソプラズマと旋毛虫が寄生していた証拠を発見した。 テキサス州やサウスカロライナ州など、アメリカの他の地域で実施された調査でも同様の結果が得られており、イノシシによる感染症媒介の危険性があることを示しているとデパーノ氏は指摘する。</p>
<p>しかし、イノシシでこれらの種の寄生虫感染が確認されたのはこれが初めてだ。トキソプラズマも旋毛虫も家畜のブタでは感染が防止されているが、近年では食用としてイノシシ狩りをする人が増えているとデパーノ氏は言う。「イノシシの肉はとてもおいしい。ブタより味わいがある」。</p>
<p>寄生虫が多く含まれる肉を人間が食べると感染する可能性は高い。デパーノ氏によると、トキソプラズマも旋毛虫も、感染すると筋肉や臓器に食い込み、インフルエンザのような症状を引き起こすことがあるという。</p>
<p>男性、女性、子供を含め、アメリカでは既に6000万人以上がトキソプラズマに寄生されているが、発症する人はきわめて少ない。通常、健康な人の免疫系ならば病気を抑え込むからだ。</p>
<p>それでも、米国疾病予防管理センター（CDC）によると、アメリカではトキソプラズマ症は食物が媒介する病気による死因の第1位だ。特に妊娠中の女性や免疫系が弱っている人にとって、トキソプラズマの害は大きい。</p>
<p>CDCによれば、旋毛虫による感染症も軽症から重症までさまざまで、最も重症の場合は心臓と呼吸器に障害が起こり命に関わることもあるという。中等度の症例でも、疲労、衰弱、下痢が何カ月にもわたり続く場合がある。</p>
<p>イノシシの個体数が増えているため、イノシシ狩りの回数も増えているはずだと論文の著者らは推測する。そのため、殺したイノシシをさばいたり肉を食べたりすることで寄生虫に感染するリスクをハンターたちに理解してもらえるよう、教育プログラムを計画するのがよいだろうと研究チームは提言している。</p>
<p>家畜のブタが寄生虫に感染したイノシシと接触すると、ふつうのブタ肉を食べた人が寄生虫に感染する可能性も出てくる。例えば、放し飼いのブタが野生の仲間と偶然接触し、病気をもらうということは起こりうる。放し飼いブタの肉は人気があるが、これは欠点になりかねないとデパーノ氏は言う。「今後の課題は、さらに多くの場所でこの種の調査を実施し、病気の広がりを、特にプタやペットや人間の健康に関連づけて確認していくことだ」。</p>
<p>寄生虫に感染したイノシシについての研究結果は「Journal of Wildlife Diseases」誌4月号で発表された。</p>
<p><strong><a href="http://www.nationalgeographic.co.jp/news/">ナショナルジオグラフィック ニュース</a></strong><strong>より</strong></p>
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		<title>チベットで冬虫夏草が「金のなる木」に</title>
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		<pubDate>Tue, 03 May 2011 04:09:22 +0000</pubDate>
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				<category><![CDATA[生物多様性]]></category>
		<category><![CDATA[資源、エネルギー]]></category>

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		<description><![CDATA[中国のチベット高原に生息する冬虫夏草（トウチュウカソウ）が、地元の農村に多額の現金をもたらしているという。冬虫夏草は蛾の幼虫に寄生する菌類で、死んだ幼虫の頭部から人の指ほどの長さの草のようなものを生やす。 ナッツのような [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>中国のチベット高原に生息する冬虫夏草（トウチュウカソウ）が、地元の農村に多額の現金をもたらしているという。冬虫夏草は蛾の幼虫に寄生する菌類で、死んだ幼虫の頭部から人の指ほどの長さの草のようなものを生やす。 ナッツのような風味で薬効があるという冬虫夏草は、癌の治療や老化対策、性欲増進などの分野で珍重されており、<span id="more-1179"></span>遠く離れた北京、上海などの急成長する都市部で需要が急上昇している。 中国ではすりつぶして粉末で売られているほか、そのまま飾りとして、つまり富を誇示するものとして使われている。 チベットや、ネパールからブータンのヒマラヤ地方では、ヤクを飼う遊牧民が冬虫夏草を採取し販売して現金収入を得て裕福になっている。</p>
<p>菌類の研究者でこの現象を調査しているダニエル・ウィンクラー氏は、冬虫夏草の価格が1997年から2008年にかけ、一説によると10倍にも上昇したと話す。<br />
ヤクの遊牧民が、今ではオートバイに乗り、都市部にアパートを持ち、子供を学校に通わせているという。村の仕事のために人を雇っているとウィンクラー氏は語る。 採取の際には、幼虫のイモムシと寄生した菌をそのままの形で地面からら引き抜く。調子が良ければ、1年間暮らせるだけの現金を1カ月間で稼ぐことができる。チベットの農村部では、現金収入の40％以上を冬虫夏草が占めている。</p>
<p>コロラド大学ボルダー校で地理学の博士課程にあるマイケル・オルスガード・スチュワート（Michelle Olsgard Stewart）氏によると、雲南省は世帯の年間現金収入の60～80％を冬虫夏草の売り上げが占めており、学費、食費、冷蔵庫やオートバイの購入、家畜の費用などに充てられている。 冬虫夏草を研究しているスチュワート氏は、冬虫夏草の価格が急騰し、年に1度の採取に加わる人の数が増えていると話す。「以前は世帯あたり1人か2人だったようだが、いまでは3人から5人が冬虫夏草の採取に出ていく」という。 青海省など冬虫夏草の産地の一部では、冬虫夏草が育つ牧草地への立ち入りを巡る争いで毎年死者が出ている。冬虫夏草の経済的な重要性を象徴的に表わすものだとスチュワート氏は指摘する。 昔からの放牧地で権利があいまいな場所や、政府が介入して外部者に許可が売られた土地は、紛争が起きる傾向がある。</p>
<p>スチュワート氏が研究対象とする雲南省では、死者が出るような衝突は起きていない。同氏は「立ち入りできる採取区域についてかなり明確なルールがあるようだ」と語り、おそらくこのためだろうと説明している。 冬虫夏草の過剰採取を科学者は心配しているが、収集されたデータによるとまだ余裕があるようだ。 1人あたりの採取数は減少しているが、スチュワート氏が買付人に聞いた話では購入できる冬虫夏草の減少は認められないという。 これはウィンクラー氏のデータに合致している。次の世代の幼虫に寄生する胞子を放出する菌は、データによると地中に十分に残っている。「幼虫は採取の大きな影響を受けないらしい。菌も今のところ十分な量の胞子を放出しているようだ」とウィンクラー氏は話す。 菌が減少しているかもしれないという話は2008年に表面化した。中国科学院の環境学者が、冬虫夏草の菌は20年前の数の3～10％にまで減少しているという報告を発表したのだ。しかしこの報告は基本データが欠けているとウィンクラー氏は指摘している。<br />
もし仮に冬虫夏草の市場が破綻したらどうなるのか。ヤク遊牧民の経済が破壊される可能性があると両氏は心配する。ただスチュワート氏は、値下がりは緩やかに進むため、コミュニティは対応が可能で破綻はないと考えている。</p>
<p><strong><a href="http://www.nationalgeographic.co.jp/news/">ナショナルジオグラフィック ニュース</a></strong><strong>より</strong></p>
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